2007年8月13日月曜日

韓国の反日について

嫌韓派と呼ばれる人々がいる。韓国の反日がこういう人々を作っているようだ。竹島問題や従軍慰安婦問題、あるいは金大中が過去は見ず未来志向で行こうと言ったにも拘らず、相変わらず第2次大戦前の日本の行為を攻め立てる態度は、確かに腹が立つ。

ただ韓国の反日は、日本の全面否定ではない。むしろ対象は限定され、日本の韓国・朝鮮半島への軍事的侵略意図のみを対象としている。韓国が日本の侵略的意図を気にするのには訳がある。日本は過去に3度も韓国を侵略している。韓国としては日本を警戒するのは当たり前だ。文人の国韓国に対して、日本は侍の国、武人の国でもある。特に戦後日本は、世界的大国として見事に復活し、防衛関係者の営々としたご努力で、現在の軍事力は世界有数なレベルにまでなった。

更に最近、北朝鮮のミサイル発射、核保有で、自国を自衛するという、極当たり前のことの大事さに日本はようやく気が付いた。ふと見ると中国も、もの凄い勢いで軍事力を強化している。このような外部環境は、又日本を軍事的に目覚めたところがある。こういった環境の延長線上にある憲法改正議論や、核武装議論の可否も、韓国からすれば、益々日本は軍事的な威圧感を感じているはずだ。

日本からすれば、これだけ平和を愛する国民なのにとの思いはある。しかし日本が戦争放棄を謳う憲法を持つ国だと知っている人間は、海外にはそう多くはいない。更に日本は、最近明確に右傾化しており(私は「普通の国」化だと思っているが)、韓国国民は日本の平和志向を益々信じれる状況ではないだろう。

それに韓国の反日の原因は日本が作っている。秀吉の朝鮮半島侵略は明国征服という、秀吉の野望の結果であり、朝鮮の人々は純粋な被害者だ。日韓併合も、日本の安全保障上、朝鮮半島は重要という、これも日本のお家事情の話で起こしたことだ。併合については、そこまで行く時点で、日韓両国の相互作用が色々あったが、いずれにしろ出発点は日本の安全保障の強化という、日本の国益追求に他ならない。

日本の事情で起こしたこれら侵略があるから、現在の反日があり、反日は日本が行った行為が元になっている以上、韓国に対する反日への物言いも、こういった経緯を踏まえた言い方をする必要があるのはいうまでもない。こういう歴史的背景を無視し、韓国の反日に対して単純に反感を持つことは、言ってみれば片手落ちなのだ。

韓国の反日の対象は、日本が再度韓国・朝鮮半島に軍事的野心を示したと、韓国人が感じた場合のみ限定されている。それ以外は、韓国程、日本を手本として、あるいは日本のものを好んでくれる国民はいない。韓国の例えばMBSの9時のニュースなどを見ると、韓国で人災事故があった場合、必ずと言ってよい程「日本ではこのように旨く対応している。我々も見習わねばならぬ」とのコメントがある。韓国は日本にとり最大規模の輸出国であり、電子製品から、小説、マンガ、アニメまで、これ程日本のものを受け入れている国はない。

韓国人の日本好きの背後には、いつかは日本のように成りたいという憧憬と、いつかは追いつき追い越したいという競争心があるにせよ、日本は韓国より進んだ国であり、韓国の近未来の姿としてある面は否めない。このように基本的には韓国人は、恐らく世界一日本を肯定的に考えている国だ。自国韓国を併合した日本という国は、韓国人にとっても世界的にも優れた国でないと困るとの心理もあるのかもしれない。

いずれにしろ、韓国の反日の本質は極めて限定した事象にしか見れず、この点を良く理解し、実際に見られる韓国と日本の緊密な関係を見誤ってはいけないと思う。

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